がんばって割り算はしたくないなぁ ~いわゆる剰余の定理の備忘録~

目標:いわゆる剰余の定理って便利かどうかを考える。


割り算と余り


まずは次の問題を考えてみましょう。


 問.52を7で割ったときの余りを求めよ。

この問題自体は、私が指導している小学生でも解けるものですね。
 
  52÷7=7・・・3   ですね。

では、次の問題も考えて見ましょう!




 問.624を7で割ったときの余りを求めよ。

ここで筆算をする前に、624は52の12倍なんですね。
そう聞くと、筆算するよりも上の問で使った式を変形して
求められるような気がしてきますよね。

では、式の変形を考えてみてください……








……ちょっと難しいですよね。

割り算の余りがある式ってそのままの形で式変形するのは大変ですね。
そもそも「余り」のある式っていうのが、例えば

 「52個のアメを7個ずつ配ると、何人に配れていくつ余るか」

というような問に対して

 「7人に配れて、3個余る」(=7・・・3)

という、結論をわかりやすく表現しているものですね。
確かに「~人に配れて○個余る」という日本語との対応も
ばっちりですよね。

一方、式を変形することを考えると、割り算の形のままだと
「余り」の部分をどうすればいいか、わからない……




そこで、52÷7=7・・・3 を
 
 結論」が分かりやすい形 → 式変形」しやすい形

に変形していきましょう。




割り算は掛け算と裏表の関係なので、
 
 「52÷7=7・・・3」 → 「7×7+3=52」

となります。(さっくりいきましたが、分かり辛ければコメントで教えてください。)


これで式変形しやすい形になったので、624を7で割ったときの
あまりを考えていきます。

 52÷7=7・・・3
 7×7+3=52   (割り算→掛け算)
 12×(7×7+3)=12×52(両辺を12倍して右辺を624にしていく)
 12×7×7+12×3=624

ここで下線部は36であり、7で割ったときには1余ります。
式で表すと
 
 12×7×7+7×5+1=624

となります。よって624を7で割った余りは1になります。



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文字の式の割り算と余り


さて、ここからが本題です。
次の問を考えていきましょう。
問1.PNG
一回、言葉とおりに筆算で割り算してみましょうか。

筆算1.PNG

ちょっとえぐい計算量になってしまいました……
ちょっと答えが大きいので不安ですが、やり直す気も起きませんね……


そこで先ほどの例を思い出すことにします。


割り算の式の、「余り」の形というのは

  結論」が分かりやすい形 であって 
  式変形」しやすい形ではありませんでしたね。

なので、ここでも割り算→掛け算の形に変形しようと思います。

x-5で割ったときの割り算の結果の式について、
すぐに正しい式は分かりませんが、少なくとも
xの式であることは分かります。
この式のことをQ(x)と置きます。
また求めるべき余りをAと置くと以下のようになります。
ちなみにxの多次式を1次式で割っているので、余りAは定数になりますね。
(上の筆算を見ると、余りにxが含まれないことは分かると思います。)

式3.PNG

ここで定数Aだけが知りたいものであることを思い返しましょう。
Aは定数なので、xは私たちが好きなものを放り込んでいいですよね。
そう考えると、右辺のQ(x)(x-5)をゼロにするようなxの値を放り込めば
 
 A=????

の式が得られそうですね。


Q(x)(x-5)をゼロにする値は明らかですね……
では、Aを求めていきましょう。
式4.PNG


以上より、「より簡単」に余りの値を求めることができました。
「より簡単」という言葉に納得いかない人いますか?









………そうですね。5乗の計算とかは多少しんどかったかもしれません。
そこは完全に私の設問ミスです。(笑)
途中でいまいちだなーと思いましたが、数式の画像を作り直すのは
とてもとても嫌だったのでこのまま押し通しました。

ただ、考えて見てください。
愚直に割り算で計算するときは、筆算を手でやるしかなさそうですが、
掛け算の問題であれば、電卓を使いやすいですよね。
また暗算で実際にやってみればわかりますが、両方の方法を手計算でやると
やはり掛け算の形に直したほうが数段やりやすいです。




以上、まとめます。
・割り算の答えに余りがある形は式変形しにくい。
・なので式変形しやすい掛け算の形にしたい。
・余りが定数ならば、都合のいいようにxに代入していく。






剰余の定理


このような考え方を定理としてまとめたものを剰余の定理
言いますが、このあとの話はまた別の記事で……



だいぶ走り気味に書いているので、分かりにくいところあると思います。
何か気になることがあればコメントいただけると幸いです。


※因数定理についての記事でしたが、教科書では剰余の定理として別物の前振りとして使っていたので、それに合わせて修正しています。

続き:剰余の定理を使った問題



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