余弦定理 ~三平方の定理をちょろっと変えてみる~
目標:余弦定理を三平方の定理と同じように証明する。
以前の三平方の定理の記事で
直角三角形の3辺に正方形を引っ付けて
三平方の定理を証明しました。
今回は直角の無い三角形にも同じように正方形を
ひっつけて(第2)余弦定理を目指したいと思います。
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余弦定理とは
余弦定理とは以下のような三角形に関する式を言います。

一見複雑に見えますが、
右辺の「ー2bc cosA」を除けば三平方の定理そのものですね。
三平方の定理と形が似ていることから、
証明も同じような方法で行ける気がしてきますね。
証明
まずは三角形の3辺に正方形をそれぞれ引っ付けていきましょう。
また各頂点から対辺への垂線も引いておきます。(点線)
次に三平方の定理のときと同様に
以下のように等積変形をしていきます。

青い三角形≡緑の三角形
紫の三角形≡オレンジの三角形
となります。(ここが分かりにくければ、三平方の定理の証明を先にご覧になってください。)
このことから一辺cの正方形(下の正方形)の面積と
等しい部分を考えると以下の画像より
①+②=③
となる。

残るは茶色と水色の長方形の面積をどのように表現するかを考える。
茶色い長方形について長いほうの辺は正方形と共通しているので
長さはaである。
短いほうの辺については以下のように考える。
短いほうの辺は隣り合っている直角三角形から
三角比を利用して「b*cosC」と表現できる。
水色の長方形も同様にして
長い辺が「b」短い辺が「a*cosC」と表現できる。
以上より、
(下の正方形)=(左上の正方形)+(右上の正方形)ー{(茶色)+(水色)}
となるので、それぞれ三角形の辺の長さと三角比で表現して
以上で証明できた。
今回は鋭角三角形を使ったが、鈍角三角形でも同様に証明できる。
(三角形が正方形から飛び出すからやや見にくいが…)
冒頭の余弦定理の式と証明の最後で示した式の文字が
異なるものになっているが、結局は同じことを
あらわしており、一般に次のように言うことができる。
三平方の定理と余弦定理
証明の中で察しがついたかと思いますが、
余弦定理・・・三平方の定理を「-2ab*cosC」で調整したもの
と言っても差し支えなさそうですね。
高校数学では余弦定理の暗記は必須で
項数が多いだけに覚えるのも大変ですが
三平方の定理と似ていることから以上のような
イメージを持つと幾分覚えやすいですね。
以上、まとめます!
・余弦定理は三平方の定理をちょっと調整したもの
関連:三平方の定理の証明
三角比
今回もちょろっとgifアニメを作りました。
作るのは大変ですが、等積変形がイメージしやすくなりますね。
ご意見ご要望等あればコメントいただけると幸いです。
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